梨状筋症候群とは梨状筋というお尻の筋肉が坐骨神経を締め付け、お尻、ふくらはぎにしびれや痛みを起こす病気のことです。
坐骨神経痛と見分けがつきにくいため施術の際は、梨状筋だけではなく腰にも鍼をします。
梨状筋とは
梨状筋は、仙骨(腰骨と繋がっている三角形状の骨)の裏から大腿骨の大転子の上まで付着しています。
この筋肉は股関節を安定させることが主な働きですが、股関節の外旋(膝を正面から外側に向ける動き、おしりがキュッとする)、外転でも働きます。
梨状筋の下を坐骨神経が通りお尻、太ももから足まで支配します。
そのため梨状筋が固いと、神経は骨と筋肉に挟まれて痛みやしびれを起こします。
【固くなる姿勢、動きの例】
・バレエなどのターンアウトで股関節の外旋を頻繁にする
・長時間の起立、座位
・お尻のポッケに財布やスマホを入れたまま座る
施術方法
・腰の脊柱起立筋、大腰筋、腰方形筋
・お尻の中殿筋、小殿筋、梨状筋
また、ふくらはぎまで痺れがある場合はそこも含めてバーっと打っていきます。
特に、骨盤の姿勢保持筋の中殿筋と小殿筋は弱ると梨状筋の負担を増やすため、念入りに鍼をします。
腰に鍼をする理由
・腰の筋肉がうまく働かないと、梨状筋に負担が掛かるため
・腰からお尻まで支配している神経が、筋肉に挟まれて、お尻の痛みと感知されている可能性があるため
2回ほど梨状筋に鍼をして痛みが減らない場合は、骨盤裏側に付いている腸骨筋に鍼をします。
腸骨筋が付いている場所が骨盤の裏全体のため、固くなると骨盤裏を引っ張り、骨を隔てたお尻側の痛みと脳が勘違いすることがあるためです。
梨状筋ストレッチ
痺れや痛みが出ない範囲でストレッチするのも○
①背中をマットに付け、患側の足を4の字にしてもう片方の足の上に置く。
②そのまま、痛くない方の足を両手で掴み、体に近づける。
手で掴めない場合は、タオルを引っ掛けて引っ張る。
この時仙骨は浮かないようにすると梨状筋がよく伸びる。
呼吸を意識しながら30秒程×3回を繰り返す。